きのおもむくままに
記事一覧世の中の多くの事実や概念は,それ自体では理解できず,他との繋がりを通じてはじめて理解できる.
複数の事実や概念からなる集合体があるとする.その集合体に属する要素間の繋がりを明らかにすれば,集合体の中での理解が深まる.
一方で理解したと思える集合体そのものも,より広い視点からみれば,他の集合体との繋がりを有している.そしてその広い関連から,集合体全体に対するより深い理解が得られる.
全体は部分同士の繋がりによって理解され,部分もまた全体の中ではじめて意味をもつ.
部分あるいは全体のどちらか一方を考えるだけでは,より深い理解には到達できない.部分と全体の調和の中にこそ真理が存在する.この調和をもたらす有用な方法の一つが体系的思考である.
体系的思考 — あるいはシステム思考といってもいい — は,複数の要素からなる集合体を理解し,その集合全体に意味を与えるための「手法」である.