まめいろん

きのおもむくままに

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14 December 2021

人の本質 1

生きているうちに何が一番知りたいかと問われれば,もっとも身近で不思議なものだと答える.

もっとも身近で不思議なものは自然ではないかと思っていた時期もあったが,私にとってのそれはおそらく,私自身であり,人であり,人が生み出すダイナミクスである.

それは簡単に理解できるものではない.あるいは簡単に知れると思いたくないのかもしれないが.

喜び,悲しみ,怒り,ねたみ,野心,放っておくと争いを生まずにはいられないのに一人ではいられない本性.自身に対する自己愛に近い興味からはじまり,自分というものの位置づけをより広い視点から求め,広い意味での人や社会を知りその考えを紡ぐことが,自分と社会との繫がりなのだと思い至る.

思索にあたり.

人の理解とは宙を漂う蜘蛛の巣のようなものである.

真理とは,それ自体が中心となる何かに違いなく,宙を漂う蜘蛛の巣が引っかかるところである.人はどこまでいっても相対的にしか物事を捉えられない.

それでいて人はふわふわと宙を舞うことを頼りないと思い真理を求める.

このことは普通の人から人類の最高到達点たる人たち全てにあてはまる.スピノザは神(真理そのもの)を真理としたし,デカルトは自らの精神を出発点とした.

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