まめいろん

きのおもむくままに

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15 October 2020

システム工学

人間の知的思考は大きく,推論と体系的思考の二つに分類できる.推論は演繹,帰納,仮説形成からなる思考法である.体系的思考は,分類整理する思考である.システム工学とは,後者の思考様式を中心として,目的を達成する最適解を導くことである.

体系的思考は,人間の短期記憶が 10 に満たないことを考えれば1,多くの情報を意識的に辿るための重要な思考法である.

優れたシステムエンジニアは,優れた体系的思考力を持つ.分類は「分ける」と「まとめる」ことからなる.「分ける」とは対象を他と区別することであり,言い換えれば対象に独自の概念を与えることである.本質を見極める力と言ってもいい.「まとめる」とは要素に与えられた概念を抽象化し,要素間に共通する概念(関連)を見出だすことである.そして全体は部分同士の繋がりによって理解され,部分もまた全体の中ではじめて意味を持つ.


  1. Miller, G. A. (1956). The magical number seven, plus or minus two: Some limits on our capacity for processing information. Psychological Review, 63(2), 81–97. https://doi.org/10.1037/h0043158 

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